Alteryxの距離(Distance)使い方や活用例を紹介
Alteryxの「距離(Distance)」について、主な使い方や活用例を紹介します。
「距離」とは?
「距離」はAlteryxで作成された空間オブジェクト間の距離、方位、角度を算出します。
以下は「東京タワー」と「都庁」の空間オブジェクトから「距離」を使って算出した結果になります。
算出される距離は各空間オブジェクトを直線で結んだ距離です。
後述の使い方で解説しますが「距離」を使う際は距離を測る起点と終点のデータが必要なため空間オブジェクトのカラムを2つ以上用意する必要があります。
距離の使い方
「距離」の使い方について解説します。
今回は以下3カラムの空間オブジェクトを含んだサンプルデータを例に説明します。
「距離」の設定で計測をしたい空間オブジェクトを選択します。
【ポイントまたは中心点ソース】に起点となる空間オブジェクト、【ポイント・線・ポリゴンの行き先】に終点となる空間オブジェクトを指定します。
今回は以下のようにセットします。
「距離を出力」にチェックを入れます。
ここでチェックを入れないと距離は出力されません。
また有効なデータセットがある場合は、ドライブタイムを出力することもできますが、今回はデータセットがないため、ここのチェックは外します。
「基本方位を出力」「方位度数を出力」にチェックを入れると、こちらのデータも出力します。
また単位は「マイル、キロメートル、フィート、メートル」の4パターンからプルダウン形式で変更することができます。
上記の設定で実行をすると起点から終点にかけての【距離】【方位】【角度】が出力されます。
基本的な使い方は以上となります。
「距離を出力」の補足説明
「距離」で計測する終点がポリゴンだった場合、【距離を出力】の設定を調整することで出力結果が変わってきます。
ここでは以下マップのデータで「始点をポイント」「終点をポリゴン」と見立てた時に、各設定によってどのような違いが出るかを説明します。
ポリゴンの内部に近接内点を作成
チェックを入れた場合
【ポリゴンの内部に近接内点を作成】にチェックを入れると「ポリゴンの外にあるポイントから最も近いポリゴン内に終点となるポイント」ができます。
図で見ると下の青いひし形マークが近接内点です。
上のマップだとポリゴンの外にあるポイントは4箇所なので同じ数の近接内点が作られてます。
実際の距離については以下のデータで出力されました。
チェックを入れない場合
【ポリゴンの内部に近接内点を作成】にチェックを入れない場合は当然ですが近接内点は表示されません。
出力されるデータもチェックを入れた場合と特に違いはありませんでしたが、別のケースでは変わる場合もあるかもしれません。
このあたりの結果を気にする方は確認してください。
ポイントがポリゴンの内側にある場合
「ポイントがポリゴンの内側にある場合」では【0距離を返す】【最も近い辺までの距離を返す】のいずれかを選択できます。
0距離を返す場合
【0距離を返す】を選択した場合は、以下のように始点のポイントがポリゴンの内側にあるデータの出力は0になります。
最も近い辺までの距離を返す場合
【最も近い辺までの距離を返す】を選択した場合は、以下のように始点のポイントがポリゴンの内側にあるデータの出力はマイナスになります。
距離の代わりにフォーミュラを使うやり方
Alteryxには「フォーミュラ」という指定のカラムに対して関数の計算を施すツールがあります。
この「フォーミュラ」で以下の関数を指定すると指定したobject1とobject2の直線距離を出力したカラムを作成することができます。
ST_Distance(object1,object2,"距離の単位")
注意点としては「距離」の出力と違い、方位や角度は出力されません。
距離の単位は「mi」「km」「feet」「meters」になります。
距離の活用例
こちらでは実際に「距離」を使ってどのようなことができたかの検証記事を紹介します。
「距離」を使って複数地点の移動距離を可視化
「距離」と他の空間分析ツールを使ってウォーキングルートを分析
まとめ
以上Alteryxの「距離(Distance)」について主な使い方や活用例の紹介でした。
距離(Distance)を活用できると空間分析の幅が広がるので、ぜひ使い方をマスターしましょう!